「転生したらスライムだった件」なろう版と書籍版の違い

転スラのネタバレオンリーです。書籍5巻以降のなろう版との違いを扱っています。

転スラ18巻なろう(web)との違い ユウキと道化連の現在位置

※完全ネタバレです。自己責任で

 

2期面白かったですね。なろうだと数話で終わってる内容が分厚い書籍1冊分になってweb勢から会議アニメと比喩されながらも原作を守ってくれて嬉しく思います。

 

さて遅くなりましたが、19巻がいよいよ発売という事で18巻の核心でもあり

なろうから大きく設定が変わった中庸道化連の物語を。

 

近藤が死んだときにカガリは支配から解放された。「よお!」目の前にはディーノ、

そして無表情のユウキ。フットマン、ティアの命令を解除しディーノからここまでのいきさつを聞く。ここは異界、天星宮。逃げる事は出来ない。かつての仲間、ヴェガを媒体に受肉したグノムが現れ天使族(またはそれに近い精神生命体)が自分の作り出したデスマンを媒体に受肉しようとしてる事を悟る。

カガリはデスマンへの妖魔たちの受肉を手伝いながら自らもデスマンへと

憑依した。自我が残るかはカガリにとっても賭けであった。

 

彼女は深い眠りの中でとても懐かしい夢を見ていた。ハイニューマンが築いたエルフの楽園・超魔道大国。彼女はその国の美しい姫だった。いつしかやさしく穏やかな父である王が突然狂った。彼は自ら魔導大帝ジャヒルを名乗り、暴虐を尽くし始めた。

カガリはそんな父に殺され醜い姿とカザリームの名を与えられデスマンとしてよみがえさせられたのだった。ジャヒルはミリムを傀儡にすべく怒りを買い(お伽話の件)首都

ソーマは滅びた。ジャヒルは生死不明。自分の周りの多くの者たちをしんでしまった。

彼女は優しく見守ってくれた侍女(ティア)や騎士(フットマン)や民(クレイマン)達をデスマンとして復活させて名前をつけた。そして国を復興することを誓うのだったが暴れまわるカオスドラゴンの襲来によって大地すら汚染されてしまった。

カガリはティアたちを連れ安住の地を求め旅立つ。道中、カオスドラゴンと戦い死にかけた勇者に出会う。名をサリオン・グリムワルト。死にかけた彼にカガリは一つの提案をする。やがて彼はデスマンとして復活した。名をラプラスと変えて。

 

魔王にまで上り詰めたカザリームはレオンの美しさに嫉妬し襲い掛かりやぶれた。

かろうじて精神体としてさ迷った彼女は「ワタクシを助けて、奪われるのはもう嫌、ただみんなと楽しく生きたいだけ・・」誰も答えない。あとは朽ちて滅びるだけ。

「いいぜ、でも疲れてるみたいだから僕の体の中でおやすみ」彼だけが救いの手を差し伸べたのだった。

 

レオンの元へ攻め込む妖魔たち。黄金郷エルドラドは戦火に包まれた。迎えうつのは

レオンと配下、ギィと配下そしてディアブロ。激しい戦いの中、カガリはティア、フットマン、ようやく合流出来たラプラス、いまだにミカエルの支配下にあるユウキとともにレオンの前に立ちふさがった。

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レオンに襲い掛かるカガリ。しかし彼女はレオンにささやく「私たちには監視がある。迷宮(テンペスト)に逃げたい」「わかった」「ミカエルの狙いは天使スキル持つあなたよ」「天使スキル所有は否定はない、ラミリスの迷宮までの転移用魔方陣がここにある」2人は戦うふりをして魔方陣に近づいていく。

「脱出は5人か?」「他は(殺されるわけじゃないから)置いていく」「連れていってやればいい」「やさしいのね、わたくしの時は手加減してくれなかったくせに」「魔王が攻めてきたんだ、民を守るためにそんな余裕はなかった」「それもそうね」「変わったな・・・」

「貴方はどうするの?」「私は残る」転移魔方陣のある扉の前にやってきた。

「あなたって不器用なのね」「私は悪徳をきわめた。たった一人の愛する人のために他者の犠牲を許容した、その報いだ」しかし、ミカエルが突然、天使の支配を強めた。

オーベラの裏切りに気が付いて激怒したのだ。フェルドウェイもカガリの裏切りに気が付きこの場に姿を現した。カガリはもちろん、レオンも自分の意志では動く事も出来なくなった。シルビアが加勢にやってきたがレオンを止めるのに精一杯だった。

ラプラス、クロード、アルロスそしてシルビアだけでは圧倒的に不利になった。

「やれやれ、僕の出番かな?」

ユウキは自分の中の自我を持った強欲之王に支配を肩代わりさせて難を逃れていたのだ。ユウキは得意のスキルスティールでカガリらの支配を解除。

戸惑うフェルドウェイは「目覚めろジャヒル!そのガキ(ユウキ)を殺せ」と叫んだ。

ユウキを貫く手刀。その主はフットマンだった。

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「クソ、しくじった」ユウキはくやしそうにフットマンをにらむ。フットマンはカガリの狂った父、ジャヒルに取って変わられていたのだ。それはユウキがこの世界に来るずっとずっと遥か昔から仕組まれた罠だった。クレイマンが近藤に操られはじめた数十年前からフットマンもまたジャヒルの手の中にあったのだ。

全力で対抗するが劣勢のユウキたち。(いつもこの世は理不尽だね)ユウキは思う。(リムルさんだったら諦めないんだろうね。後からきて好き放題やって僕の考えより素晴らしい結果を生むんだから)不快でない笑顔がこぼれる。「何を笑っておる?」怪訝そうに聞くジャヒル

「あんたよりもっと怖い人がいるのを思い出してね」「リムルはんやな、あの方は規格外やで」ラプラスが同調すると「だろ?もうすぐあの人がここに来る」ユウキの言葉に

「時間稼ぎなら」カガリも立ち上がった。リムルが来るまで・・・。

道化達の希望を打ち砕くようにジャヒルは大火球を放つ。

「やれやれ、がんばってみたけどここまでかな?みんな悪いね、僕が下手うってみんなをこんな目に合わせて」ユウキの嘆きにカガリは「私たちの失態です」と否定する。

そんなカガリにティアが「泣かないで姫様!」となぐさめる。「ティアあなた・・・」

「思い出したよ、アタイ姫様の侍女だったんだ。最後までお供できるのがすごくうれしいよ。フットマンもクレイマンもみんな姫様が大好きなんだ。最後にみんなで力を合わせるの楽しいね!」ラプラスも自分が何者か思い出していた。それでも

「ええねん、ワイはラプラスや。中庸道化連の副会長や」

「ほんとバカばっかだね」苦笑いしながら話すユウキに「ボスに言われたくないわ」と

ラプラスがつっこみ笑いに包まれた。

ジャヒルの閃光がすべてを消し去るまでユウキたちの笑顔は消えなかった。

 

道化たちは何百年も探し続けた楽園にやっとたどり着けたのかもしれません。