「転生したらスライムだった件」なろう版と書籍版の違い

転スラのネタバレオンリーです。書籍5巻以降のなろう版との違いを扱っています。

なろうでも書籍でも語られなかった3つのエピソードその2

f:id:harunatan:20191206152742p:plain

 七曜を粛清するルミナス様、尊い。出番が増えた書籍では大活躍。

 

※完全ネタバレです。自己責任で。

 

リムルが転生した世界は基本的に神が存在しない。その地域を直接的に守ってくれる存在が魔物であれ人間であれ悪魔であれ土地神のように敬われ神に似た立場になっていた。前記事のテスタロッサもシルベリアでは間違いなく神であったし、ヴェルドラさんもジュラの森の守護者として敬われていた。実際、開国祭に訪れたプルムンド近郊で農場を営む老夫婦がヴェルドラの木彫りの置物を購入、それを見たヴェルドラ本人(人間体なので気づかれない)が自分たちにとってヴェルドラ様は守り神だったと聞いてご満悦なシーンがあった(設定資料集8.5掲載)。他にもミリムを奉る民もいたりする。ラミリスも精霊の地、ウルグレイシア共和国では敬われていたかもしれない。

そんな世界で唯一の神と名乗った人物。それが魔王であり神であるルミナスである。

クロエとヒナタの数奇な運命を知るたった一人の人物。夜魔の女王、ルミナス・ヴァレンタイン。太陽の光を克服した吸血鬼の長。ヴェルドラの宿敵(?)

そんな彼女の回想で物語は進む。

 

「常夜の国の女神様」

 

ヒナタを宿したクロエはルミナスの元を訪ねる。おそらく数千回繰り返された出来事だ。ルミナスは彼女たちの話を信じ見守っていた。これから起こるべき事象を予言する彼女たちに感謝するものの不満もあった。

「えっと、そろそろ大きな地震が・・・」警戒を強めるが実際は数十年後に起こった。

「疫病が流行るかも・・」結局は流行った後の対処法しか教えてくれない。

ルミナスは気が付いていた。彼女たちは過去を変えたくなかった事を。その気持ちを優先してヴェルドラも封印までにとどめた。

やがて召喚の日が訪れクロエの魂が消え、交代したヒナタも300年後に消え、残った体(クロノア)を大切に保管した。

やがて訪れるクロエやヒナタとの本当の再会の日を待ちながら・・・・。

 

あれ?あれあれあれ?ルミナスは戸惑っていた。

ヒナタが自分の庇護下に入るまでは聞いていた通りだった。リムルというスライムが生まれヴェルドラが食われ気配が消えるのも知っていた。そしてこの後、

ヒナタがイングラシア郊外でリムルを迎えうとうとするも会えずじまい。ファルムス王国は近隣の国と連合軍を結成してヒナタが先導しジュラの森に侵攻、戦闘になるがリムルとヒナタはお互いを認め合い和解する・・・・。あれ?ヒナタとリムルはイングラシア近郊で戦っている??なんとかリムルは逃げ延びたものの、ファルムス王国は単独で侵攻して全滅している。

そしてリムルは魔王に覚醒した。弱った、聞いてた話と全然違う・・・。

 

「魔王の宴」でそのリムルの処遇が議題に上がった。領地はおろか正体すら隠し、魔王の会合に顔を出すこともなかっ.たルミナスは今回ばかりは出席せざるおえなかった。元々替え玉にしていたロイを魔王役に従者のメイドに扮して出席する事にした。

リムルの立場が怪しくなったら守らなくては、その後は自分の配下にしてもいい。

そんな思いだったが実際のリムルはルミナスのお眼鏡にも叶う人物だった。魔王相手に堂々とクレイマンの対処も素晴らしかった。途中で乱入したヴェルドラに正体をバラされた事を除けば良い方向にすすんだ。しかし、お役御免となり先に帰らしたロイが殺されてしまった。その事態を引き起こしたヴェルドラの評価だけはだだ下がりだw

ルベリオスに戻り宴での出来事を話すとヒナタがリムルとの和平に動き出した、とりあえずその成り行きを見守る事にしたルミナスだったが・・・・

 

「あぶなかった・・・」戦闘は一度きりだったはずのヒナタとリムルが2回目の戦闘に入っているwしかも自分の飼い犬である七曜の老師が裏切りヒナタ抹殺をもくろんでいた。なんとか間に合いヒナタを救い七曜を粛清した。自分が出向くことになりリムルと思いがけず面識を得ることになったのは幸いだった。ヴェルドラへ仕返しもして満足するルミナス。実は人の話に耳を傾けリムルになつくヴェルドラを彼女もそこまで嫌いになれないと思っていたらしい。

和解した彼らに連れられ大浴場と温泉を初経験したルミナス

「これって温泉?・・・サウナまで完備してあるのね・・・あの男、本当に好き放題してるのね」と文句を言うヒナタ。そんな一糸まとわぬヒナタを見れてご満悦なルミナス。温泉施設を再現したリムルへの感謝を忘れない。

宴会の席でも未成年で異世界にやってきたヒナタは薦められたビールに今イチの反応。ヒナタの酔った姿が見たいルミナスは自分に出されたお酒が絶品だっただけに期待していたがヒナタの反応にガッカリしていた。

リムルはそんなヒナタに果実酒を進める。子供舌なヒナタさん、子供舌なヒナタさんと煽り誘導するリムル。ヒナタは渋々口にする。「あら?美味しい」

ほろ酔いになり艶っぽくなるヒナタ。

天才かよ!と心で賛辞を贈るルミナス。無意識に手に取った天麩羅のおいしさに驚き、シュナに薦められた日本酒を楽しんだ。

 

ルベリオスはテンペストと友好を結んだ。聞いてた話にはなかった未来。

そうなると今後の展開も変わってくるはず。聞かされていた未来。数年後に帝国が攻めて来てリムルは死亡、封印されてたヴェルドラが復活してルミナス自身も戦いに巻き込まれる大惨事になる・・・。

しかしそれはリムルが魔王になっておらずファルムス王国も健在だった未来。実際はリムルは魔王に、ヴェルドラはすでに復活して暴れる可能性も低い、健在なはずのファルムスは崩壊し、ヒナタとの交流にとどまるはずがルベリオス自体が彼らの友好国になっている。この先の未来はもう聞いてた話通りにはならないと確信している。

開国祭で一方的にクロエとの再会も果たしたルミナス。もどかしい事ばかりだ。変わってしまったこの世界でひとつひとつの出来事を慎重に対処し、クロエとヒナタとの約束を果たそうと改めて心に誓うルミナス。温泉でクロエとヒナタに囲まれムフフな時間を過ごすために。

もうすぐ開かれる音楽交流祭を楽しみにしながら・・・・

 

f:id:harunatan:20191206225524p:plain

クールビューティーで百合で自分勝手なマイペースというイメージのルミナスの内面が垣間見え苦労性な事がわかる興味深いストーリーでした。あぁあの時にそんな事を思っていたのかとか、素の彼女の魅力が満載でした。このストーリーはルミナス本人の語りで話が進むので面白く仕上がっています。

敵対してたギュンターを配下にして彼の有能さに投げっぱなしの統治。エラルドの投げっ放しのエルメシアとともにリムルが常に手本にしたいと思う存在である(主に投げっ放しの部分)

ここではグランベルロッゾとの激しい戦いの前までを描いていますが、そのロッゾ戦でなろうより早くアルテミットスキルを獲得。初登場の6巻から12巻まですべてに顔を出し、その後も話題にちょいちょい上る主要キャラ。今後もストーリーにガッツリ絡んできそうです。

そういえばルミナスが名前をつけ今はリムルの元で観光PRを一手にひきうけるフラメアが主役の「魔物の国の歩き方」の話も記事にしたいですね。

 

 

設定資料集13・5「常夜の国の女神様」より抜粋。

 

f:id:harunatan:20191206225545p:plain

次回はこのみなさんのお話、例のテンペストVS聖騎士の戦いの裏話を。

 

あわせてこちらもお読み下さい。テスタロッサが原初の白だった頃のお話。

harunatan.hatenablog.com